あまぐも ちあきなおみ

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あまぐもあまぐも
ちあきなおみ
コロムビアミュージックエンタテインメント
発売日 2000-10-21



ちあきなおみに潜む狂気の発露 2003-12-27
このアルバムは、コロンビア時代の最後を飾るに相応しい、白眉ともいえるオリジナルアルバム『あまぐも』(1978.1.25)の復刻版です。
オリジナルアルバム『ルージュ』に引き続き、シンガーソングライターの作品への挑戦ですが、全てこのアルバムのために書き下ろされたという点が『ルージュ』とは異なるところです(ただし、「夜へ急ぐ人」だけは、前年に発表されたシングル曲―77年の紅白歌合戦では、この宮川泰編曲のものが歌われました―をアルバムバージョンとして収録し直したものです)。
シンガーソングライターは、ともにフォーク系の河島英五(前半6曲)と友川かずき(後半5曲)の二人。そして編曲は、ゴダイゴ―70年代末にTVドラマ『西遊記』の主題歌「ガンダーラ」・「モンキーマジック」で一大ブームを巻き起こしたロックポップス系バンド―の主要メンバーである、ミッキー吉野(#3,5,6,7,10)と岸本博(#1,2,4,8,9,11)が担当しました。ですから、ロックの色濃い作品に仕上がっています。
ちあきなおみの歌唱は、レコーディングされたものが、緻密に計算し尽くされた、絵画でいうタブローに相当するものだとすると、ライブでのものは、デッサンのように、少々荒っぽいものの、力強さの込められたもので、そこには躍動する息吹、抑えきれない感情が迸っています。いみじくも、友川かずきは、それを“ちあきなおみに潜む狂気”と看破しました。
ロックへの編曲は、その狂気と称される、パワフル&ソウルフルな歌声をそのまま引き出すことに見事に成功しています。河島英五のバラードもメリハリの効いた作品になりましたし、中原中也に影響を受けたという友川かずきの詩も感動を覚えるものとなりました。“気持ちの悪い歌”が代名詞となった「夜へ急ぐ人」もキレのよい歌になって、一段とオドロオドロシサが増したように思えます。
このアルバムが“白眉”といえる所以は、偏に友川かずきの作品にあります。何ものかが憑依したかのような、ちあきなおみの歌声は、人間の奥底に眠る元始の感情に強く働きかけてきて、ポール・ゴーギャンの一連のタヒチ作品―シャーマニズム―を想起させます。


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